コラム第6回 (Update:2018.05.17)
「2018年4月22日(日)開催第34回全日本トライアスロン宮古島大会」
レースレポート 一本松 静香(ゼッケンNo.14)
競技内容 スイム:3km/バイク:157km/ラン:42km
結果 スイム:42:05/バイク:65kmまで、同地点でDNF(棄権)/ラン:なし
参加人数 1662人
●次レースこそはパーフェクトな状態で挑みます
今年の宮古島トライアスロンは、私がロングに挑戦してからちょうど一年というタイミングで開催され、この一年間の練習成果を知る上でも、とても楽しみにしていました。しかし、バイク65キロ地点にてDNF(棄権)という悔しい結果に……。
一年間で周囲の状況が大きく変わり、すばらしい環境の中でトライアスロンに打ち込むことができるようになっただけに、結果を残すことができなくて、今も悔しい気持ちでいっぱいです。
同時に、「次レースは最高の状態で最高の結果を残したい!」と、強く思いました。どんな時でも安定したパフォーマンスを発揮できるように、これからも練習に励んでいきたいと感じました。
●レース前の気持ち
レースの一ヶ月ほど前から体調不良や故障が続いていたため、無理をせず、最善のパフォーマンスをすることを心がけてレースに臨むことにしました。とは言え、去年の宮古島大会以降、「来年は優勝するんだ!」という強い思いで練習をしていたので、レース数週間前は無理をせずにはいられない気持ちでした。レース日が近づくにつれて高揚感はありますが、しかし体調は優れず。これ以上の故障悪化も不安でした。このような気持ちで直前まで落ち着かない状況でした。
レース当日。それでも、5分前にスタートラインにつくと、緊迫した時間を楽しめました。不安だらけではありましたが、今思い出してもやはりあの緊張感はたまりません。「今の状態でどうやったら泳ぎきるか」そして、「スイムを1位でアップする!」という気持ちが一番にありました。
●スイムの状況、そしてバイクパートでDNF
砂浜からの一斉スタートで今年も迫力がすごかったです。
泳力に差があっても、先頭集団のバトルを避けたいので、最初の数百メートルはとばして泳ぎました。男女同時スタートなので、男子の速い集団についていき、必死で泳ぎました。自分のペースに合う集団が見つかるまで10分ほどかかりました。落ち着いた心拍で泳げる集団を見つけたものの、いつも以上に心拍が上がっており、前の状況や他の女子選手の位置を把握する余裕はありませんでした。
また、スイムコースが今年から2周回に変更になったため、1周回を終え、いったん陸へ上がりますが、海の浮力から、地上の重力を感じた瞬間がつらかったです。
2周目、集団に引き離されながらも食らいつき、後半になるにつれ「今、女子何位だろう」、と思い始めながらも、確認する余裕はありませんでした。
私の50秒前に太田麻衣子選手がアップしており、トランジション前の砂浜で西岡真紀選手にもパスされ、スイムは3位でアップ。とても悔しかったです。
バイクパート。乗り始めてすぐに、西岡選手に追いつきました。少し様子を見てから抜き、2位に浮上。すぐ後ろの酒井絵美選手が「前との差30秒だよ」と教えてくださり、テンションが急上昇。自然と力が湧き、1位に浮上。ようやく、一年前からイメージしていた景色が目前に広がりました。
先頭で走る景色は格別でしたが、このまま走り続けていたいという気持ちとは裏腹に、体調不良に加えて少しずつ、故障している足に異変がおきてきました。
25キロ地点。去年は鷲津奈緒美選手(17年、18年優勝)に、同地点でパスされましたが、まだ鷲津選手の気配を感じません。そう思うと再びやる気が湧いてくるとともに、足の故障もそこまで気にならなくなりました。
しかし、30キロ、35キロと走り、ついに45キロ地点で鷲津選手にパスされてしまいました。同時にアドレナリンが切れ始め、体のいたる箇所が思うように動かなくなっていきました。
そして、池間島の入口付近のエイドステーション(65キロ地点)にてやむを得ずDNFを宣言しました。
●レースを終えて
DNFを宣言するべきだったのか……。もしかしたら、無理をすれば、走り切れたかもしれない……。
過去の自分ならば、自ら棄権するという選択肢はありませんでした。
しかし、今はこれからの選手生活について、応援してくれる方、一緒に考えて指導してくれるコーチ陣、仲間がいます。今回のDNFは、もっと強い選手になっていく上での通過点の一つです。
まだまだ長い選手人生。目の前の結果だけではなく、前向きな自分の努力を信じようと思います。
最後になりますが、2018年シーズンをサポートしていただいている各スポンサー様、チームのみんな、そして応援してくださったみなさまにお礼を申し上げます。今後も応援よろしくお願いします。