コラム第19回 (Update:2020.03.19)
ironman70.3 Bangsaen(バンセン)
レースレポート 一本松静香(ゼッケンNo.324)
開催日時 2020年2月23日(日)
距離 swim 1.9km / bike 90km / run 21.1km
結果 swim 00:29:27 / bike 2:47:37 / run 1:52:27 / Total 05:15:13
女子総合5位 / 年代別4位
【ironman70.3 Bangsaenに向けて】
オーバートレーニングの反省から慎重にトレーニングを積み重ねた結果、3ヶ月前に出場した「ironman70.3廈門」では、想定通りのパフォーマンスができたので、Bangsaenに向けては、少しずつ高強度のトレーニングを取り入れました。週ごとの計画も安定して行えるようになったことが気持ちの安定にも繋がり、練習の質を高めるようなトレーニングができました。
【レース前】
レースの3日前に会場入りし、日本との気温差に少々驚きながらも(気温差30度!)、街を歩いたりコース下見をしたり体を動かすことで順応していきました。Bangsaenは海岸線が広がっており、屋台や人で賑わう街でした。猿や犬が道端にいるなど、緊張を忘れさせてくれる賑やかさのお陰で、リラックスして過ごすことができ、ノンストレスでレース当日を迎えました!
【swim】
スイムコースは砂浜から走ってスタートし、700m→500m→700mの三角形のコース。水温は24度以上あったので、ノンウエットでのレースになりました。ウエットスーツを着ない方が、肩周りが回しやすく泳ぎやすいので、私には好都合でした。5〜6人ずつのウェーブスタートで、運良く10番目ぐらいからスタートを切ることができ、混雑を回避して泳ぎ始めることができました。
前半の700mは、波やうねりが気にならずに泳ぎに集中することができました。しかし、練習していた2ビートキックが海では上手く行かず、4ビートで前半700mを泳いだことで余計な力を使ったように感じました。
次の500mは少し混雑し、うねりも激しく、スローだと集団に埋もれ、うねりにも勝てないので、ここはハイテンポで回転を上げて4ビートで刻みました。
ラスト700mはうねりがおさまり、選手も散けて泳ぎやすくなったので、練習した2ビートキックを試みました。しかし、プールと違って安定しづらくキックが気持ちよくうてない…プールだけではなく海でも練習する必要があったと後悔しながら、4ビートに戻しました。
【bike】
バイクコースは軽いアップダウンはあるものの、平坦基調で私の得意なコース!しかし、思いのほか風が強く、特に横風はハワイのコナのバイクコースを思わせるものでした。たびたび吹くその横風は、DHバーを握るか握らないか迷うほど。外乗りの際は荒川で走ることがほとんどだったので、風には耐性があると思っていましたが、苦しめられました。
こぎ始めはとても順調で、自分で回しやすいテンポを刻みながら集中してこぐことができました。気分よくこいでいると、後ろから普段お世話になっているコーチAが…(私より遅いスタートなのに)。私はコーチAが私の前を走っていると思っていたので、コーチAを見た瞬間テンションが上がってしまい、抜かされたコーチを抜き返してしまうという、ペースを乱す走りをしてしまいました。その後もまた抜き返され見失い掛けた頃、これもまた私の前を走っていたと思っていたコーチB(私より遅くスタート)が後ろから登場し、再びテンションが上がりキャパオーバーな走りに。そのまま走り続けると、40km地点あたりで1位の女子を捉えました。1位になるとオートバイに乗ったカメラがついてくるという特権を獲得できます。気持ちはどんどん高ぶっていき、テンションも最高潮になり、キャパオーバーな走りを60km続けた後…パワーもケイデンスも心拍もビルドダウンしていき、ラスト30kmは、サイクリング状態になってしまいました。後に、Garminのデータを確認すると、前半の60kmの間に、現在のFTP値を20分以上超えていました…。
決めていたプラン通りに、前半のパワーをセーブしながら走れていれば、後半パワーが尽きることなかったことは反省です。
しかし、同時に良かった点もありました。怪我やオーバートレーニング以降で、これまで闘争心を失いかけていたことに気づき、レースの楽しさや、上を目指したいという気持ちを復活させてくれるきっかけになったと感じています。
【run】
ランコースは、途中に “Monkey Mountain”という猿山があり、細かいアップダウンが多いコース。猿や犬がコース上にいるなど、日本では経験できない楽しいコースを3周回しました。バイクで足を使ってしまったので、1周目はペースが上がらず、筋肉を回復させるためにピッチを上げて走ったり、後半に暑さでさらにペースが落ちることのないように、水を多く被って体を冷やすなど、いろいろ考えながら走り、距離を重ねていくうちにペースを上げることができました。
昨年11月に出場した「ironman70.3廈門」の後から少しずつランのスピード練習を取り入れたことにより、スピードが上がってきました。しかし、年明けから左股関節周りの調子が悪くなり、その練習ができなくなりました。怪我をしやすいところなのでしっかりケアをしていたのですが、防ぐことができませんでした。Bangsaenまでは、股関節の様子をみながら、調子のいいときにジョグをし、治療を受けながら練習を積みました。スピード系の練習はあまりできませんでしたが、焦らず故障したところと向き合いながら練習を積めたことで、また一歩成長できたと感じるレースになりました。
【レースを終えて】
昨年9月に出場した「2019佐渡国際トライアスロン大会 兼 第23回日本ロングディスタンストライアスロン選手権佐渡大会」以前の1年間は、怪我やオーバートレーニングによりレースに出場できず、悔しい1年を過ごしましたが、それ以降、3本のレースに出場できるようになり、今大会では少し無茶な走りをしてしまうほどパワーが戻っていることを確認することができました。うまくレースをまとめることができるようになれば、今シーズンは、復活の年になると手応えを感じています。
最後に、今シーズンサポートして頂いている企業の皆様、SunnyFish代表 平松さん、高橋コーチ、lifeblood鍼灸マッサージ院 谷本先生、呉竹学園 紀平先生、SunnyFishの皆様、そして応援してくださった皆様に御礼を申し上げます。